突然ですが、まーヲタおばさんが、阿佐ヶ谷姉妹に落ちました。
これほど、煩悩本能に振り回されるのは、2012年初夏に、モーニング娘。の佐藤優樹さんに出会った時以来です。睡眠時間を削ってでも情報を摂取しなければ生きていけない!という中毒状態に、7年半ぶりに陥っています。
この熱を自分の中だけにとどめておけず、Twitterで別アカウントを準備して、思いの丈をつぶやいては発散してきましたが、今日で、阿佐ヶ谷姉妹に落ちてからちょうど1箇月が経過するということで、改めて、これまでの経過を振り返り、ブログとしてまとめておくことにしました。
なお、現在、阿佐ヶ谷姉妹関係の記事は、別のブログで更新中です。
asagayashimai-fan.hatenablog.com
【目次】
1 はじまりは1本の動画から
令和元年11月22日。
TwitterのハロヲタTLに流れてきたYouTubeのURLをクリックしたのが始まりでした。
二人の地味な中年女性が、朝の支度をしているだけの動画です。*1
- 同じアパートの隣同士の部屋に住む阿佐ヶ谷姉妹。
- 朝目覚めて、身体を起こしてもすぐに動けなくて一時停止状態になったり。
- 「痛たたたたたた」と言いながらヨガのネコのポーズをしたり。
- 朝起きたら、お互い寝坊防止のために、LINEでおはようを言うルールがあったり。
- おはようのLINEが入ってなかったら、アパートの薄い壁をドンと叩いて、隣の部屋で寝ている相方を起こしてあげたり。
- カーテンを開けて朝日をあびて、顔をくしゃくしゃにして、まぶしがってみたり。
- 西川きよし師匠が健康に良いとテレビで言っていたということで、朝起きて一番にお水を飲んでみたら、むせてしまったり。
- 白髪に良いと、黒ゴマを手に出して、べろべろと食べてみたり。
- 育てている豆苗に日をあてて水をやり、なでながら話しかけた直後に、容赦なくはさみで刈り取ってみたり。
- 二人で一緒に朝ごはんを準備して、冷蔵庫の中の岩下の新生姜の購入数や賞味期限のことで地味に盛り上がったり。
- 新生姜を切ってる時に酢が指にしみて痛がったり。
- 野菜炒めをつくっている時に、味付けに入れた岩下の新生姜の汁の酢が揮発して、またまたむせて、二人で笑いあったり。
- 二人でご飯を食べながら、今年の出来事を思い出そうとするけれども、二人で宙を見つめたまま咀嚼音だけが部屋に響き、「何にも出てこないじゃないの~」と言い合ったり。
- 二人一緒に、メイクしている時に、小さいかわいらしいゲップをして「太田胃散の味がする」と言ってみたり。
- バックの中身チェックをしてみたら、出てくるものが、風呂敷だったり、整骨院でもらった飴だったり、紙で包んだお金だったり、みかんだったり。
- バッグに入ってるカイロについての会話。「あらー、ミホさんミニなの?すごいわねーヤングねー。私はレギュラーサイズ。」「女子感全然ないわね」「おばさん1000%だ」「そうね、あら、ちょっと、カルロストシキ&オメガトライブ」
ひたすらマイペースに、日常を淡々と演じているのですが、ところどころ、クスッと笑えて面白い。二人の会話も、特別に、面白いことを言っているわけでもないのに、なんとなくおかしい。
「変な人たちだなぁ」と思いながら、何度か再生して見るうちに、もっと知りたい、という気持ちが湧き、なにげなく「阿佐ヶ谷姉妹」でネット検索してみたところ、どうにもこうにも、とまらなくなって、一晩ですっかり阿佐ヶ谷姉妹の虜になってしまいました。
思い返せば、佐藤優樹さんに落ちた時も、入り口は「変な子だな」でした。
私が落ちる時の最初のフックは「変な人」のようです。
2 Web記事を読み漁る
検索してすぐに気が付いたのは、阿佐ヶ谷姉妹、2018年にかなり話題になっていたということ。2018年7月の『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』の出版と、2018年12月の「女芸人No1決定戦 THE W」での優勝に関連して、たくさんの記事が書かれていました。
私が知らなかっただけで、世間では、阿佐ヶ谷姉妹、とっくに始まっていたんですね。
ちなみに、向かって立ち位置左が、妹役の木村美穂さん(1973年生まれ)で、右が姉役の渡辺江里子さん(1972年生まれ)です。*2
特に、書籍については、血縁関係のない中年女性二人が6畳一間に同居しているという生き方に、世間の注目が集まったようです。
また、ニュースサイト「ナタリー」で阿佐ヶ谷姉妹をフォローして確認してみたところ、2013年以降はコンスタントに月数本のニュースが上がっていました。
あの「徹子の部屋」にも、2017年に出演済みとは!*3
natalie.mu
どうやら、私は、気が付くのが、かなり遅かったようです。鈍感。
3 動画を漁り始める
モーニングルーティンを見た翌日、令和元年11月23日は土曜日でした。YouTube、TVer、Amazon Prime Videoなどなど、あらゆる動画サイトで阿佐ヶ谷姉妹の検索をかけ、片っ端から見始めました。この週末は、ほとんど眠らずに、動画を見続けていたと思います。
動画を見て、まず知ったのは、姉のエリコさんの歌が、ものすごくうまいこと。*4
阿佐ヶ谷姉妹といえば、ママさんコーラス風の裏声歌唱イメージが強かったのですが、エリコさん、実に多彩な楽曲を歌いこなします。これも既に世間では有名な話で、ほんとに、私が知らなかっただけなんですけど。鈍感(二度目)。
news.livedoor.com
上記記事で触れられている動画「ボヘミアンを唄う阿佐ヶ谷姉妹(姉)」についての感想は、別のエントリにまとめました。
nt3ksn-m.hatenablog.com
もともと、音楽やハモりが大好きな私にとって、この「歌がうまい」という要素は、阿佐ヶ谷姉妹に落ちる、非常に重要なフックになったと思います。
4 人柄を知り、惚れ込む
様々なインタビュー記事や、2011年1月分から残っている阿佐ヶ谷姉妹のブログ記事をすべて読み、検索で上がってくる動画を消化しているうちに、お二人のお人柄を知るようになりました。
ひとことで言うなら、素直で、謙虚で、いじけてない人たちという印象です。
無駄に抗わず、流れに身を任せて生きている。かといって、開き直るわけでもなく、やれることは真面目にきちんとやる。肩に力が入っていないから、誰も否定しないし傷つけない。*5 明るすぎるわけでもなく暗すぎるわけでもない。他人も自分たちも、ありのままをふんわりと受けとめている。素直にものごとを受けとめ、泣いたり笑ったりできる。そんな風に、私は感じています。
40代後半という年齢です。実際は、様々な苦労をされてきただろうと思います。しかし、恨み、妬み、劣等感などを他人にぶつける姿を、少なくとも、人前で見せることはないようです。
また、女芸人というと、テレビでは、ブス・デブいじりとか、モテたいけどモテないという自虐とか、女芸人同士でのマウンティングの取り合いや争いをして見せることを求められるケースが多いように思いますが、阿佐ヶ谷姉妹は、お母さんや親戚のおばさん的な身内感のあるキャラクターが幸いしてか、そのような役回りを与えられることが、比較的少ない気がします。*6
お二人を見ていると、いつでも穏やかであたたかい、平和な気持ちになれる。そんなところに、とても心惹かれます。
モーニングルーティン動画に関するツイートを眺めていると「阿佐ヶ谷姉妹可愛い」という感想がたくさん目に入ります。「こんな可愛いおばさんになりたい」と若い女の子の目にも映っているようです。
女性の加齢や体形変化に対して、よく「劣化」なんていう言葉が使われますが、阿佐ヶ谷姉妹を見ていると、皺やたるみや皮下脂肪に左右されない「可愛さ」が存在することに気づかされます。*7
その「可愛い」の秘訣が、この「素直」「謙虚」「いじけない」という3つの要素なのではないかと感じています。
私は、これまでずっと、自分と干支二回り以上違うハロプロアイドルばかり追いかけてきました。若いお嬢さんなら、「自分も鈴木愛理みたいに可愛くなれたらいいのになぁ…」なんて、自己投影をして憧れるようなことってあると思うんですが、私の場合、それをやるには歳をとりすぎていたんです。だから、親目線で、可愛い可愛いと愛でるのが常だったんですよね。*8
それが今、同じ年齢の阿佐ヶ谷姉妹に出会って、初めて、「私もこんな風になりたい!」と自己投影をしたくなる「可愛さ」を見つけた気持ちでいたりします。
阿佐ヶ谷姉妹は、仕事は「人生の思い出作りの一環」と言います。大竹マネージャーもそのような視点で仕事を選んでおられるそうです。
このスタンスが、お仕事に対するポジティブな姿勢を生んでいるのかもしれませんね。「思い出づくり」だから、様々なオファーを「せっかくの機会」と受け止めて、色んなことにチャレンジできるし、一生懸命に取り組める。そして、その結果についても「これも一つの思い出」とニュートラルに受けとめられる。
「成功しなきゃ!」と、気負って頑張って、思い通りにいかなくて、いじけたり開き直ったりでは、人生もったいない。彼女たちのように、肩から力の抜けた可愛い人になりたいなと、心から思うようになりました。
同年代として憧れ、自己投影したくなるお人柄。
これが、阿佐ヶ谷姉妹に落ちた、3つ目のフックです。
もちろん、芸人さんに対して、このような見方をするのが、適切なのかどうかという問題はあるのでしょうね。
ナイツ塙さんのインタビュー記事で、女芸人のネタを見ずにキャラクターだけを消費しがち、タレント化するのはもったいない、という指摘がされていますが、私の見方は、まさに、阿佐ヶ谷姉妹のキャラクターを消費するものかもしれません。
とはいえ、お笑い初心者が、知ったかぶって、ネタを語るのはもっとよろしくないと思いますので、なるべく誰かのご迷惑にならないよう気を付けながら、やっぱり「素直に」、阿佐ヶ谷姉妹を見て感じたこと考えたことを語れたらなと思っています。
bunshun.jp
5 エリコ‐ミホの関係性に萌える
モーニングルーティン動画を見た翌々日、令和元年11月24日。ネット徘徊して情報摂取するうちに、阿佐ヶ谷姉妹の「のほほんふたり暮らし」が読みたくなり、Kindleで購入。翌日朝の出勤時の電車と昼休みで読了しました。
詳しい内容は買って読んでいただきたいので書きませんが、二人の関係性に目まいがして宇宙が見えました。。。*9
テレビなどでは、芸達者で頭が良く、しっかりものに見える姉エリコさんと、ポンコツに見える妹ミホさんの立場が、プライベートでは逆転することが多かったり。エリコさんがミホさん大好きを隠さず何かと甘やかしがちだったり。エリコさんは実はウジウジしがちでミホさんに頼っていたり。ミホさんはクールでマイペースだけど急に甘えてきたりする典型的なネコタイプだったり。そんなミホさんにメロメロになるエリコさんを「ちょろい」とおちょくるミホさんだったり。でも、エリコさんのピンチにはミホさんがかならず寄り添っていたり。
永遠に、この二人の紡ぐ物語を見ていたい。。。
この本を読んで以降、二人が普通の話をしているところを見ているだけで、楽しくて仕方ありません。ヲタクちょろい。
ただ、お二人は、インタビュー記事などで「エッセイを書いてはじめてお互いの思っていることを知った」と語っておられます。現実には、そこまでベッタリではなく、コンビを組む前も、気の合うお友達ではあったものの、「木村さん」「渡辺さん」と呼び合う仲であって、つかず離れずの距離感だったとのこと。まず「仕事仲間」という関係性が最優先にある緊張感のある間柄だからこそ、お互いを上手に気遣い、思いやれる、素敵な関係性が育まれたのかもしれませんね。憶測ですが。
6 江里子先生にハマる
テレビ東京「ゴッドタン」に「私の落とし方発表会」という企画があります。女性芸能人が「私はこうされたら落ちる」という脚本を自分で書いて、それを自ら演じて紹介するという内容です。エリコさんはこの企画の常連で、あまりにハイクオリティなシナリオを仕上げてくることから、MCのおぎやはぎさんや劇団ひとりさんに「江里子先生」と呼ばれています。
ちょうど、阿佐ヶ谷姉妹に落ちた頃に、この企画の新作の放映があり、TVerの見逃し配信で見ることができたのですが、これがもう「今まで知らなかったなんて人生10割損してた!」と叫びたくなるような面白さで。
www.tv-tokyo.co.jp
この配信を見てから、過去の発表会をどうしても見たくなって、速やかに、ゴッドタンのDVDを2本購入。
エリコさんの「私の落とし方発表会」
見どころはたくさんあるのですが、一番すごいのは、言葉選びの巧みさじゃないかなと思います。
「おかゆつくりましょうか?」
「かくし味はおしょうゆ」
「肉じゃが、煮崩してきたの」
ごくごく普通のセリフですよね。でも、実際に映像作品を見ていただければわかるんですが、このセリフ一つに、物語の主人公「江里子」の人間性や心が、しっかりと描き出されているんです。この一言で、背景となる物語が、頭の中に想起され、ストーリーに広がりや深みが加わってくる。本当にすごいです。
真面目にやっている演技がうますぎて面白かったり、キャラを生かした「昭和」な古い言葉選びに笑わされたりで、初見は爆笑なんですが、見終わった後に、じんわりと「良い話だったなぁ」と思えるのは、エリコさんのこの巧みな言葉選びゆえだと思います。
そして、もう一つ、「私の落とし方発表会」で最高なのが、演じ終わって、席に戻ってきたエリコさんが、自分で書いたシナリオに自分で感動して大号泣していること。ほんと感受性豊かというか純粋でかわいい人だなぁと思ってしまいます。
www.tv-tokyo.co.jp
ちなみに、書籍「のほほんふたり暮らし」には、この「私の落とし方発表会」の枠組みを借りて、ミホさん、エリコさんがそれぞれ執筆した小説が収録されています。
当然、江里子先生の小説は面白いのですが、ミホさんの小説がまたとっても良いんです。動物好きのミホさんらしい、ちょっとファンタジックでかわいらしいお話を、のびのびとした筆致で書かれていて、ぐいぐいと読まされました。
表現者としての阿佐ヶ谷姉妹に惹かれた。これが5つ目のフックかな。
7 漫才やコントを見はじめる
というわけで、ようやく本題、でしょうか?
お笑い芸人としての阿佐ヶ谷姉妹、大好き!になりました。
阿佐ヶ谷姉妹のキャラクターにハマりはじめてちょうど半月ほど経ったところで、昨年のTHE Wで優勝したご褒美企画での笑点出演や、今年のTHE W の決勝戦出場、NHKの演芸図鑑でのネタ披露、細かすぎて伝わらないモノマネがあり、テレビではありますが、リアルタイムでネタが放映されるのを視聴する機会に恵まれました。どれも最高に面白かったです!
音楽パフォーマンスで、同じ楽曲でも歌い方やフリーダンスのちょっとした違いが毎回面白かったりするのと同様に、同じネタを何回みても面白いなぁと思いました。オチが分かっていても毎回同じところで笑ってしまったり、二人の掛け合いの間などに、ちょっとした違いを感じるのも面白いですね。
今は、阿佐ヶ谷姉妹の単独ライブに早く行きたい!という気持ちでいっぱい。
チケットとれるかな。とれたらいいな。