今から約 2年半前の2012 年7月
50枚目のシングル「One・ Two・Three 」のリリース記念として、公式サイトに 10人のモーニング娘。メンバーのプロフィールムービーが公開されました。
その中で、道重さゆみさんは、自分のファンについて次のように語っています。
家族みたいだなと思います。
私が言うこととか、やることとか、全部を愛してくれるんですよ。
厳しい言葉を頂いたりとか、アドバイスをしてくださる時もあるんですけど、でも、それ含めそれも道重さゆみの一部としてみてくれる。
すごい心が広くて優しい方たちなんだなって思うから、私も安心して全力でぶつかっていけるし、私の全身を見てって思います。
あんなにも全てを受けとめてくれる方たちだから、何も隠さずに向かっていけるなと思いますね。
この動画が公開されたのは、 2012年の7 月2日。「 One・Two ・Three」発売の 2日前です。
このシングルのリリース記念として、モーニング娘。が、初めての個別握手会を開催したのが、 2012年8 月末ですから、この動画が収録された頃、一般的なファンが、メンバーとの物理的距離を縮める手段はありませんでした。
当時、ファンが思いを届ける手段は、ファンレター、ブログのコメント欄、道重さん個人でもっていたラジオ番組、あたりだったんじゃないかなと思います。
誰もが等しく、遠く離れて応援していたこの時代に、道重さゆみさんと、そのファンの皆さんは、既に、こんなに強い心のつながりを作り上げていたわけです。
この事実を、私は、在宅のモーニング娘。ファンとして、しっかりと胸に刻んでおきたいと思っています。
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私が、熱心にモーニング娘。を応援するようになったのは、道重さんがリーダーになってからです。だから、それ以前の道重さんがどんな風だったのか、今ほど、詳しくは知りません。でも、少なくとも、私が見てきた道重さゆみさんは、会いに行きたくても会いにいけないファンのことを、常に思いやってくれる人でした。
もちろん、どんな時にも道重さんに会いに行った「顔の見えている」ファンの皆さんを、在宅ファンが超えることは絶対にありません。物理的距離が近ければ近いほど、伝えあえることが増えるのは、当然のことです。
でも、道重さんは、そんな現場のファンを大切にするだけでなく、遠くにいる「顔の見えない」ファンにも、同じように、自分の言葉で語りかけてくれました。だから、私は、遠くから応援していても、置いてけぼりな気持ちになったという記憶がありません。さゆが呼びかける「ファンのみんな」に自分が含まれていると信じてきました。
例えば、 2014年9 月20日、秋ツアー初日に、道重さんは、モーニング娘。卒業後の休業を発表しました。その日に更新されたブログの内容と、4日後にYouTube にアップされたコンサート当日の実際の発言を比較してみると、ほぼ同じ内容であることが分かります。
・秋ツアー初日|道重さゆみオフィシャルブログ「サユミンランドール」
・【ハロ!ステ #85】
YouTube 番組で数日後に動画が流れると分かっているのに、その日のうちに、コンサート会場に居られなかったファンに対しても同じように、さゆが、自分の言葉できちんと伝えてくれたこと。とても嬉しかったです。
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2014年11 月26日 卒業コンサートでのスピーチで、道重さんは、ファンに対して、こんな言葉をかけてくれました。
今、このテキストを読んでみると、「勇気くれた」以降の全てのフレーズは、「会いに来てくれた」ファンのことであって、在宅ファンは関係なかったかも、と思ったりもするのです。
でも、このスピーチをライブビューイングで見ていた時には、この言葉が、道重さゆみさんを少しでも愛したことのある全ての人に向けて、語りかけられていると感じていました。自分に対しても、その言葉は向けられているものと、思いこんでいました。
どう考えても錯覚なのですが、逆に言えば、いつも遠くから見ているだけだったファンにまで、そんな勘違いをさせてくれたのだとしたら、さゆは、やはり、すごいのだと思います。
スピーチの技術も素晴らしかったのでしょうが、それ以上に、これまでずっと、会いに行きたくても会いにいけないファンのことを、常に思いやってくれた、そんな、さゆへの信頼感があったから、私は、そんな風な受け止め方をしたのだと思っています。
そして、私は、自分が勘違いしていると言いながら、未だに、我に返ることができないままでいます。何回、この卒業スピーチを見ても、涙が出てきてしまうのです。きっと、私はこの幸せな勘違いをしたまま、これからも生きていくのだと思います。
さゆは、距離を超え、私の心を射抜いて、卒業していきました。
日本中、世界中からのたくさんの愛を受けとめきった、道重さゆみさんの器の大きさ、そして、たくさんの人を魅了してきた、愛の射程距離の長さを育てたものは何だったのでしょうか。
その一つは、「 One・Two ・Three」プロフィールムービーで、道重さんが「家族みたい」と言った、ファンの存在だったのかなと、私は思っています。
誰がも等しく、遠く離れて応援していた時代から、惜しみなく愛を注ぎ続けてきた道重さんのファン。
距離は離れていても、その愛情を、しっかりと受けとめ、応えてきた道重さん。
距離を超え、時間をかけて結ばれてきた、そんな道重さんとファンの関係性に、とても憧れます。
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私は、これからも、個別握手会には、あまり参加しないと思います。そして、所謂「認知」されるほどの回数、握手することもないと思いますので、まーちゃんと私の物理的な距離が縮まることは、まずありえません。
それでも、「まーちゃんが大好きで、ずっと応援している」ということを、言葉にすることを諦めないようにしようかなと。
無駄なことをしようとしているのかもしれません。
だいたい、住んでいる世界が違うんですから。ファンが「確実にやってあげられること」ことなんて、実際は、商品買ってお金を落とすことだけなのかもしれません。
でも、道重さんと道重さんのファンの関係性に思いを馳せる中で、伝わらなくても、私が伝えたいから伝えようという気持ちがわいてきたのです。
まーちゃんに向けて届くかどうかも分からない言葉を発することは、タンポポの綿帽子に息を吹きかけるようなものかなと考えています。
種がどこに辿り着くのか、辿りついた先で花を咲かせることができたのか、私が知ることはできません。でも、白い綿毛が、風に揺られて空に消えて行くのを眺めている間は、胸の中に小さな希望が灯り、幸せな気持ちになれるのです。
57thシングル「TIKI BUN /シャバダバ ドゥ~/見返り美人」リリース記念ムービー
モーニング娘。 '14「全盛期は、一度だけとは限らない。」佐藤優樹
「ありのままの私を応援してくれる人たちがいる。」いつか、優樹さんの心からの言葉として、この一節を聞けたらいいな。
そして、いつか私も、優樹さんをあたたかく包み込むエメラルドグリーンの光の一点になりたいな。
本日の妄想は以上です。